
頑張った成果が何十年も製造される。「設計」は生き続ける仕事です

人々の安全を守る「自動車用シート」の設計。
コミュニケーション能力が欠かせない仕事です
マツダ様のシートの設計を担当しています。「こういったシートにしたい」というご要望に対して「こんな形で製造できます」というやりとりをしながら、改善を重ね量産に向けて準備していきます。大切にしているのはコミュニケーションですね。一つのシートを作るにも、社内のさまざまな部署が関係しています。とくに僕はお客様の要望を社内に伝える立場なので、言いにくいことも言わないといけませんが、普段からコミュニケーションをとることで、一緒にゴールを目指そうという雰囲気になれるように心がけています。
設計というと社内で図面を書いているイメージでしたが、実際には社内各部署や社外との折衝、製品の安全テストなど、案外マルチに行動する仕事ですね。自分が設計した製品がその後、改良されながら何十年も残るという意味で、設計という仕事にはやりがいを感じています。
「設計」を志望したきっかけは、
事故から守ってくれた「シート」の記憶でした

子どもの頃からクルマやバイクが好きでした。そこで工業系の大学に進み、モノづくりの仕事に就きたいと思って就職活動を始めました。バイクの趣味でつながりのある方が東洋シートに勤めていたので社名は知っていました。
じつは僕は子どもの頃に事故に遭っていまして、父の運転するクルマの助手席に乗っていたんですが、シートのおかげで無傷ですんだという経験があります。その時に感じた「安全性って大事なんだ」という記憶もあってシートの設計に興味を持ちましたね。大学の合同説明会に来られた東洋シートの方のお話を聞いたり、現場の見学を重ねて「ここで設計の仕事をしてみたい」と感じて応募しました。
新規車種のシート設計を担当したことですね。入社後しばらくは先輩の設計の手伝いなどをしていたんですけど、今回、初めて主担当となり、右も左もわからず、悩みながら設計やテストを繰り替えす毎日でした。先日、市販される実車で自分が手掛けたシートを見ましたが、うれしかったですね。
素早い「報・連・相(ほうれんそう=報告・連絡・相談の略)」を心掛けています。学生時代、スーパーでバイトしていた時によく言われた言葉ですが、何か起こった時、遅ければ遅いほど後の祭りになってしまう。「鮮度の良い報・連・相」を今でも心がけています。
設計部は正直なところ、ちょっとピリッとした雰囲気があります。ギスギスしているというわけではなく、目標に向かって行こうという緊張感ですね。でも、新規商品の導入が終われば打ち上げをやったり、忘年会や歓迎会などの時には「頑張ったよね」と言いながら楽しく過ごしていますね。
子どもの頃からバイクとクルマが好きなので、通勤はバイクで、週末はクルマに乗ることが好きですね。知り合いのカーショップが参加するサーキットに出向くこともあります。オフタイムにクルマやバイクのシートで過ごした経験が、仕事の中の「ひらめき」につながることもありますね。
「自分の発言を受け止めてくれる上司と助けてくれるメンバーがいる」ということですね。大企業という規模ではないので、上司の方々も「どう思う?」って意見を聞いてくれるし、部署を超えて、お互いに助け合おうという雰囲気があり、何度かそれに助けられた経験もあります。
「好きなことを仕事にするかどうか」に迷う人も多いと思います。僕も迷いましたが、今では「好きなことを仕事にして良かった」と思っています。しんどい時もあるけれど、好きだから苦労もできる面もあります。もし好きな分野がある方は、勇気をもって飛び込んでみてほしいですね。

生水友規(24歳)
2014年新卒入社
広島工業大学工学部知能機械工学科卒